患者も私も守るには

~感染予防の基本中の基本はやっぱりマスク~

院内感染の種類とその詳しい予防方法とは

院内感染には、さまざまな種類があります。飛沫感染は、患者の咳やくしゃみから空中に散った飛沫を、他の患者や看護師が吸い込むことで広がるものです。飛沫は壁に付着したり、床に落ちたりするので、建物内部も汚染するでしょう。この汚染部分に触れた後、口や鼻に触ると接触感染が生じます。患者に直接接触しなくても、こうした間接的な接触で感染してしまいます。

飛沫感染を防止するには、患者にマスクを着用させることが最も有効でしょう。一般的なマスクは、菌やウイルスを防ぐほど目が細かくありませんが、菌やウイルスが含まれた飛沫の防止なら可能です。健康体の人より、患者がマスクを着用する方が効果に期待が持てます。

壁や床に付着した菌やウイルスは、なかなか死滅しないため、エタノールや次亜塩素酸水などの消毒剤が必要です。乾いた雑巾などで拭くと、菌やウイルスが空中に飛散する恐れもあり、消毒剤で湿らせた布類で拭き取るようにしましょう。

接触感染を予防するには、患者の使用する物品を他の患者と共有しないよう、看護師が注意することも重要です。肝炎患者の病室で使った掃除用具は、他の病気の患者がいる病室で使用することが禁じられています。

また、結核で知られる空気感染は空気を通じて感染するため、マスクも役に立ちません。空気感染を防ぐには、患者を陰圧室に隔離し、外部から遮断する必要があります。患者の行動範囲を他の患者とは別にして、トイレや出入り口も別に確保しなければいけません。